2チャンネルでは知る人ぞ知る、キャノンボール初級編。

金曜日から土曜日の夜にかけてのレポートです。

今回のコースは、以下のとおりです。
 
以下レポートです。長文注意です。

--------------------------------------------------------------------------

木曜日の夕方、なんか熱っぽい。

折角風邪を治したのに、3日連続のマラソン練習でぶり返したのか。

金曜日の起床時。うん、体調は良い。よし、今日はキャノンボールを決行しよう。

念のため、昼前に熱を測ってみると、36.8℃。

平熱より1℃高い。体調が良いのに、なぜ?

体温計が故障したのか?

逡巡していると、カミさんが一言。

「行ってくれば。ダメなら途中から電車で帰ってくればいいし。」

この言葉で踏ん切りがついた。

まずは、島忠に買い物。箱根峠で雪が降られることを想定し、作業用のゴムびきの手袋、ナイトラン用反射ベスト、反射テープ、アルカリ乾電池。

反射ベストや反射テープは、2チャンネルで仕入れた情報。バックライトより遙かに明るく、ドライバーからの視認性が高いとのこと。

反射テープをヘルメットの後ろの部分にベタベタと貼り、ライトの乾電池を新品のものに交換。

準備を整えた後、軽い食事をして、いざ出発。まずは東京駅まで自走する。

名古屋には新幹線で向かうが、ひかり号は自由席が5両、のぞみ号は3両。なので、18時33分のひかり号に乗るつもりだった。

早めに東京駅に着いたので、念のため、前に出るのぞみ号を確認してみる。

のぞみ号の止まっている、16番、17番ホームに行ってみると、18:20発のぞみ号、18:23発のぞみ号が停車していた。なぜか3分間隔で。
IMG_0703

しかも、自由席には並んでいる人がせいぜい7~8人。三連休初日の夜だから、当然か。

18:20発は清掃中で、18:23発は既に乗れる状態だったので、18:23発の3号車の一番後ろの席をキープ。

自転車を置くには、一番後ろの席がベストだから。

キャノンボール出発前の食料として、おにぎり2個とドーナツを買う。
IMG_0705

このおにぎり、JR東海の関連会社の製品だけど、コンビニで売っているおにぎりよりも香ばしく、美味しい。良い発見をした。

前置きが長すぎた。

キャノンボールのスタートは20時45分。
IMG_0709

服装は、寒さ対策として、上がマラソンTシャツ、自転車用長袖ジャージ、フリースベスト、ウィンドブレーカー、反射ベスト、スキーで使用しているホーマック製手袋。

下が、マラソン用タイツ、夏用レーパン、マラソン用ウィンドパンツ、靴下2枚履きでシューズカバーは無し。

ライトは、町中は街路灯があり明るいので、キャットアイとフジキンの2灯体制でいく。

風は、あらかじめ調べておいたとおり追い風だが、少々弱い。背中を押してくれるぐらいの風が欲しかったが、向かい風よりいいだろう。

幹線道路を進むが、交差点毎に左折レーンがあり、交差点通過時の後方確認がめんどくさい。

30分程度走ったところで、コンビニでトイレをすませ、アクエリアスと野菜ジュースを買い、上着を脱ぐ。

さすがに重装備すぎたので、フリースベストを脱ぐことにした。

淡々と走っていて、信号で止まって何気なく地名を確認すると、そこは桶狭間。

夜だからよくわからないが、ゆるやかな丘陵地帯。もうちょっと山だと思っていたが、勝手な思い込みは良くないな。

そして、2回目の補給。

あらかじめ調べておいた、本宿手前のローソン。

(名電山中駅付近49km地点:23時25分)

今回は、グロスアベレージ20km/hを目標にしていて2時間毎に休憩を取る予定でいたので、ここは約50km地点にあたる。

肉まん、ジャムパン、あんパンと、しっかりと食べる。

小さな峠を越えると、幟がバタバタはためいている。ようやく強い追い風となった。

しかし、平坦地になると、弱い風に戻ってしまう。残念。

この辺りから、右足だけ寒さで感覚がなくなってくる。左足が正常な理由は、ストップのたびに左足を地面に着くことに気づいた。

それ以来、停止時に右足を地面に着くと、感覚は元に戻る。ふー良かった。

2時間以上も走ると、だんだん疲れてきて、景色も楽しめないので、ペースが落ちる。

そして、たまたま止まった交差点で地名を確認すると、そこは岩屋。

そう、県道3号に分かれる地点である。

その分岐点の手前にあるのが、今回のチャレンジにふさわしい、ボウリング場の「キャノンボール」!
IMG_0714

県道3号に進むと、途端に暗くなったので、3灯体制に移行。

スーパーファイヤーSF-333XXにスイッチオン!

明るい!すごく安心して走れる!

ここで、心身にもスイッチが入った。

しばらく行くと、静岡県との県境。愛知県、クリア。
IMG_0717

JRの新所原駅の踏切を渡るところでちょっと迷ったが、タイムロスはせいぜい数分程度。

そして、次の補給ポイント新居関所跡近くのファミリーマートの到着。20km/hを切っているが、まあこんなもんだろう。

(新居駅付近91km地点:1時45分)

浜松バイパスに入ると強い追い風。後で確認すると西風4~5m。

今回は、浜松~静岡のバイパス地獄を避けるため、御前崎ルートを取ることにした。

R150に入るルートを地図で確認したがよくわからず、標識に従って進んで橋を渡りきったところに料金所があった。

R150バイパスの有料道路の遠州大橋だったのだ。

ヤバッ。料金所には人がいない。料金表を確認したら、軽車両10円となっている。

ふー、大丈夫だった。

標識に導かれ、R150本線に復帰する。

ここからは追い風に恵まれるが、暗いし変化がなく、退屈。

調子もまずまずだったので、休憩地点を御前崎市街にしようかとも思ったが、予定どおり、ミニストップで補給することにする。

(掛川市大淵ミニストップ134km地点:時分)

これは正解だった。ミニストップにはイートインコーナーがある。寒空の下で補給する必要がない。

この日の気温は約2℃なので、助かった。

御前崎中心部を外れると、なんだか臭う。と、そこには、浜岡原発があった。

なぜ臭うんだろうか、ちょっと怖い。

原発を過ぎ進路を北に取ると、風向きが向かい風気味の横風。

疲れが出てきたし、寒さが身に染みてきたので、大井川を渡るまでは本当に辛かった。1回目の試練である。

途中、何度もコンビニを見かけ、後ろ髪を引かれる思いだったが、休憩前になんとか大井川を越えたい。

ようやく大井川の橋が見えたときは、ホッとした。

が、橋に至る上り坂で、ハムストリングスが痙攣。ヤバッ。

橋を越えてからは、屋内で補給できるファミレスかミニストップを探す。

あった。イートインコーナーのあるローソン。ああ、救われた。

(焼津市下江留ローソン173km地点:6時)

身体も感じかんでいるので、これで温かい食事ができる。

カップヌードルと、おにぎりと、野菜ジュース。愛車も見えるし、安心して食事ができる。
IMG_0719

野菜ジュースは、痙攣防止のため、補給のたびに取っていたが、効果はあったのだろうか?

ここでは、太ももを念入りに、たたいたり、もんだりして、痙攣が収まるよう努める。

30分ほど休憩し、日の出前の薄明るい中をリスタートする。

やはり、温かい食事は身体を回復させる。気力も戻ってきた。

大崩海岸の上りは、標高差100m程度の上りだったが、苦もなく越える。

途中、富士山が見えたので、写真を撮っていたら、サイクリストが挨拶し通過していった。

上下のウィンドブレーカーに、小さなリュックの出で立ち。しかもこんな早朝に。

もしかして、この人もキャノンボール?とか、想像する。

下りきったところには、富士山の絶景ポイント。
IMG_0725

この後は、当初、ストップ&ゴーの少ない海岸沿いを進む予定だったが、出発直前に静岡市内ルートもプリントし、風向き等で判断する予定だった。

結局、走行距離を少しでも減らすため、静岡市内ルートを取ることにする。

通勤の時間帯なので、ちょっと心配だったが、信号ストップも少なく意外と走りやすい。良いコース選択だった。

この頃から、日差しで暖かく感じるようになってきたので、予定にはなかったが、静岡中心部を過ぎたところでコンビニ休憩を取り、上の反射ベストと下のウィンドパンツを脱ぐ。

(古庄駅付近201km地点:8時15分)

リスタートしてみたら、走りやすいこと、この上ない。ウィンドパンツは、脚の引き上げで抵抗になっていたみたいだ。

暖かいし、脚の調子も良くなってきたので、オプションコースとして、薩堆峠(さった峠)に寄り道をしていく。

みかん山。
IMG_0727

薩堆峠の上りは、序盤は緩やかだけど、後半激坂になる。脚に疲れが溜まってきたのですぐに心拍が上がり、一度足を着いてしまう。

到着した薩堆峠は、期待どおりの絶景だった。
IMG_0730

IMG_0736

絶景をしばらく楽しんだ後、リスタートするが、やはり脚を使いすぎたみたいだ。

下りきった由比の宿場町以降、次の補給点まで、ずっと脚が重かった。

このため、富士川手前のローソンで補給をする。

(蒲原東IC付近ローソン228km地点:10時15分)

富士川は、富士由比バイパスの歩道を行く。

ここも富士山の絶景ポイント。カメラを構える前に新幹線が通過してしまう。待っているのはもったいないので、すぐに写真を撮って走り出す。
IMG_0738

吉原付近の迂回ルートも迷わず通り、次の補給ポイント箱根峠の麓のローソンを目指す。

途中、沼津から三島は、渋滞が激しくて走りにくく結構疲れたが、ようやくローソンに到着。

(三島市箱根峠麓ローソン259km地点:12時10分)

これから本格的な峠道が始まるというのに、かなり疲れている。

ここでも脚をもんだり、たたいたりしたが、効き目が薄れてきた。

リスタートしたものの、箱根峠はとにかく遠かった。

1回目の登坂車線では、もうギリギリ状態だったが、サイスポの岩田編集長が、大阪→東京をしたときに峠まで足つき無しだったので、「50台のオヤジに負けてたまるか」と、何とか気力で通過する。

そこからも、行けども行けども峠に着かない。2回目の試練である。

途中、緑色の標識が見えたときは、「やったー峠だ」と思ったが、近づいてみると、それは山中城址の説明板で、がっかりする。

800m台の峠って、こんなに長かったっけ?

寒くなってくる頃、ようやく箱根峠に到着。一応タイムを計ったが、1時間29分57秒。一応90分切り。
IMG_0741

もう、これで長い峠はない。ここで、防寒具をフル装備し、下りに備える。

しかし、予想以上に寒い。握力もなくなってきているし、元箱根までは、短い下りながら、すごく長く感じた。

湖畔付近のセブン・イレブンでみそ汁を買って暖まる。でも、外なので、たいして身体が温まらない。

(元箱根セブンイレブン277km地点:14時10分)

小田原までの下りは長かった。

小田原までの所要時間が短い旧道を行くが、日陰ですごく寒いし、握力に自信がなくなってきているので、急傾斜の区間ではすごく不安だった。これが3回目の試練。

三枚橋に着いたときは、本当にホッとした。

ここからは、日向に出たい一心でとにかく小田原を目指す。

念願の小田原市内に着くと日向だったが、身体が冷え切ってしまって、ぜんぜん暖かく感じない。

ただただ、ダラダラとゆっくりペースで東に向かうが、そのうちに思考力がおとろえてきて身の危険を感じ始める。

すぐに食べられる麺類のレストランがないかなぁと、ぼんやりと考えながら走っていたら、ガストが目に入った。

コーヒーぐらいじゃ身体が温まらないな~、と思っていたら、次に吉野家が目に飛び込んできた。

(国府津吉野家300km地点:15時30分)

みそ汁と、お代わりしたい放題の温かいお茶、そして好物の牛丼。この手があった。

店に入ると、テーブル席主体の店でラッキーだった。これでくつろげる。

ポットのお茶を何杯もいただいた。

気力が戻ってきたので、店をあとにし、「東京まで頑張ろう」と気合いを入れた瞬間、1回目のトラブル発生。

前輪がパンクしていた。一気に気が萎える。

小さなガラスが刺さっていた。20分のロス。

残された距離を考えると、24時間以内で走るにはギリギリの時刻。急がないと。

大磯の先でR134に入る予定だったが、太平洋岸自転車道の案内板が目に入ったので、そちらを選択した。

これが失敗だった。

サイクリングロードに入って、数百m走っただけで、後輪がパンク。ついていない。これが4回目、最後の試練。

日も暮れていたので、西湘バイパスの街灯で作業したが、今回新調したフレームポンプの調子が悪い。

さっきの修理の時は、ちょっと不具合を感じながら修理できたが、今回はチューブに空気がうまく入らないので、パンクか所と原因を見つけられない。

このときは、リタイヤを考えた。

チューブ(パナレーサーのR-AIR)のバルブに問題があるのかと思い、スペアチューブのヴィットリアに空気を入れてみたら、問題なく空気が入った。

タイヤの裏側を探っても異物は何も感じなかったし、パンク時にすぐに空気が抜けたことを考えると、釘か何かを踏んでタイヤに残らなかったのだろうと判断し、パンク原因の特定をあきらめ修理する。

多分、30~40分のロス。

しかし、パンク修理の間に、脚が回復している。風も無風状態。

もう一度パンクしたらリタイヤすると決め、フリースベストを脱ぐ代わりに反射ベストを着て、少しでも早く走れるようウィンドパンツを脱ぎ、ゴールを目指して気合いで走る。

R134は、ところどころ渋滞しているし、その次の県道30号も渋滞が続く。藤沢は交通量が多い。

R1藤沢バイパスに合流後も同様で、しばらく渋滞の中を走る。

腹も減ってきたので、戸塚のコンビニで補給し、家に連絡を入れてひたすら日本橋を目指す。

(戸塚ファミリーマート334km地点:18時45分)

横浜までの間、サンタクロースの格好をしたバイクの珍走団が爆音で走っていった。

横浜からは、R15を選択。R1に比べると圧倒的に平坦で走りやすい。おまけに車線数も多いし、土曜日の夜のためか交通量も少ない。

あっという間に多摩川、神奈川県と東京都の県境まできた。最後の県境で感動する。
IMG_0744

その後も快調、とはいっても26~27km/hの巡航速度で進む。

品川付近まで来ると、東京タワーが見える。クリスマスイブだからか、いつもと違うライトアップ。写真に撮っておけば良かった。

やがて新橋駅前を過ぎ、高速道路のガード下をくぐるところまで来たところでビックサプライズ!!
IMG_0747

クリスマスイブの銀座ってこんなんだったの?

まるで、光の中をパレードラン。キャノンボールのゴールを祝福してくれるかのように。

思わず、涙があふれそうになった。

キャノンボールの正しいゴールの迎え方。

カルティエが入っているビルが、赤いイルミネーションで特にキレイだった。

そして、感動のゴール、日本橋に21時18分に到着。銀座に着いたときほどの感動はない。
IMG_0752

IMG_0757

走行距離が381.40km、所要時間が24時間33分、ネットアベレージが21.6km/h。目標の24時間を切れなかったが、グロスのアベレージで15.5km/hなので、何とか及第点といえるだろう。

しかし、冬のキャノンボールは、もう止めよう。次にチャレンジするとしたら、日の長い、春から夏だろうな。