2チャンネルでは知る人ぞ知る、キャノンボール初級編。
金曜日から土曜日の夜にかけてのレポートです。
今回のコースは、以下のとおりです。
以下レポートです。長文注意です。
--------------------------------------------------------------------------
木曜日の夕方、なんか熱っぽい。
折角風邪を治したのに、3日連続のマラソン練習でぶり返したのか。
金曜日の起床時。うん、体調は良い。よし、今日はキャノンボールを決行しよう。
念のため、昼前に熱を測ってみると、36.8℃。
平熱より1℃高い。体調が良いのに、なぜ?
体温計が故障したのか?
逡巡していると、カミさんが一言。
「行ってくれば。ダメなら途中から電車で帰ってくればいいし。」
この言葉で踏ん切りがついた。
まずは、島忠に買い物。箱根峠で雪が降られることを想定し、作業用のゴムびきの手袋、ナイトラン用反射ベスト、反射テープ、アルカリ乾電池。
反射ベストや反射テープは、2チャンネルで仕入れた情報。バックライトより遙かに明るく、ドライバーからの視認性が高いとのこと。
反射テープをヘルメットの後ろの部分にベタベタと貼り、ライトの乾電池を新品のものに交換。
準備を整えた後、軽い食事をして、いざ出発。まずは東京駅まで自走する。
名古屋には新幹線で向かうが、ひかり号は自由席が5両、のぞみ号は3両。なので、18時33分のひかり号に乗るつもりだった。
早めに東京駅に着いたので、念のため、前に出るのぞみ号を確認してみる。
のぞみ号の止まっている、16番、17番ホームに行ってみると、18:20発のぞみ号、18:23発のぞみ号が停車していた。なぜか3分間隔で。
しかも、自由席には並んでいる人がせいぜい7~8人。三連休初日の夜だから、当然か。
18:20発は清掃中で、18:23発は既に乗れる状態だったので、18:23発の3号車の一番後ろの席をキープ。
自転車を置くには、一番後ろの席がベストだから。
キャノンボール出発前の食料として、おにぎり2個とドーナツを買う。
このおにぎり、JR東海の関連会社の製品だけど、コンビニで売っているおにぎりよりも香ばしく、美味しい。良い発見をした。
前置きが長すぎた。
キャノンボールのスタートは20時45分。
服装は、寒さ対策として、上がマラソンTシャツ、自転車用長袖ジャージ、フリースベスト、ウィンドブレーカー、反射ベスト、スキーで使用しているホーマック製手袋。
下が、マラソン用タイツ、夏用レーパン、マラソン用ウィンドパンツ、靴下2枚履きでシューズカバーは無し。
ライトは、町中は街路灯があり明るいので、キャットアイとフジキンの2灯体制でいく。
風は、あらかじめ調べておいたとおり追い風だが、少々弱い。背中を押してくれるぐらいの風が欲しかったが、向かい風よりいいだろう。
幹線道路を進むが、交差点毎に左折レーンがあり、交差点通過時の後方確認がめんどくさい。
30分程度走ったところで、コンビニでトイレをすませ、アクエリアスと野菜ジュースを買い、上着を脱ぐ。
さすがに重装備すぎたので、フリースベストを脱ぐことにした。
淡々と走っていて、信号で止まって何気なく地名を確認すると、そこは桶狭間。
夜だからよくわからないが、ゆるやかな丘陵地帯。もうちょっと山だと思っていたが、勝手な思い込みは良くないな。
そして、2回目の補給。
あらかじめ調べておいた、本宿手前のローソン。
(名電山中駅付近49km地点:23時25分)
今回は、グロスアベレージ20km/hを目標にしていて2時間毎に休憩を取る予定でいたので、ここは約50km地点にあたる。
肉まん、ジャムパン、あんパンと、しっかりと食べる。
小さな峠を越えると、幟がバタバタはためいている。ようやく強い追い風となった。
しかし、平坦地になると、弱い風に戻ってしまう。残念。
この辺りから、右足だけ寒さで感覚がなくなってくる。左足が正常な理由は、ストップのたびに左足を地面に着くことに気づいた。
それ以来、停止時に右足を地面に着くと、感覚は元に戻る。ふー良かった。
2時間以上も走ると、だんだん疲れてきて、景色も楽しめないので、ペースが落ちる。
そして、たまたま止まった交差点で地名を確認すると、そこは岩屋。
そう、県道3号に分かれる地点である。
その分岐点の手前にあるのが、今回のチャレンジにふさわしい、ボウリング場の「キャノンボール」!
県道3号に進むと、途端に暗くなったので、3灯体制に移行。
スーパーファイヤーSF-333XXにスイッチオン!
明るい!すごく安心して走れる!
ここで、心身にもスイッチが入った。
しばらく行くと、静岡県との県境。愛知県、クリア。
JRの新所原駅の踏切を渡るところでちょっと迷ったが、タイムロスはせいぜい数分程度。
そして、次の補給ポイント新居関所跡近くのファミリーマートの到着。20km/hを切っているが、まあこんなもんだろう。
(新居駅付近91km地点:1時45分)
浜松バイパスに入ると強い追い風。後で確認すると西風4~5m。
今回は、浜松~静岡のバイパス地獄を避けるため、御前崎ルートを取ることにした。
R150に入るルートを地図で確認したがよくわからず、標識に従って進んで橋を渡りきったところに料金所があった。
R150バイパスの有料道路の遠州大橋だったのだ。
ヤバッ。料金所には人がいない。料金表を確認したら、軽車両10円となっている。
ふー、大丈夫だった。
標識に導かれ、R150本線に復帰する。
ここからは追い風に恵まれるが、暗いし変化がなく、退屈。
調子もまずまずだったので、休憩地点を御前崎市街にしようかとも思ったが、予定どおり、ミニストップで補給することにする。
(掛川市大淵ミニストップ134km地点:時分)
これは正解だった。ミニストップにはイートインコーナーがある。寒空の下で補給する必要がない。
この日の気温は約2℃なので、助かった。
御前崎中心部を外れると、なんだか臭う。と、そこには、浜岡原発があった。
なぜ臭うんだろうか、ちょっと怖い。
原発を過ぎ進路を北に取ると、風向きが向かい風気味の横風。
疲れが出てきたし、寒さが身に染みてきたので、大井川を渡るまでは本当に辛かった。1回目の試練である。
途中、何度もコンビニを見かけ、後ろ髪を引かれる思いだったが、休憩前になんとか大井川を越えたい。
ようやく大井川の橋が見えたときは、ホッとした。
が、橋に至る上り坂で、ハムストリングスが痙攣。ヤバッ。
橋を越えてからは、屋内で補給できるファミレスかミニストップを探す。
あった。イートインコーナーのあるローソン。ああ、救われた。
(焼津市下江留ローソン173km地点:6時)
身体も感じかんでいるので、これで温かい食事ができる。
カップヌードルと、おにぎりと、野菜ジュース。愛車も見えるし、安心して食事ができる。
野菜ジュースは、痙攣防止のため、補給のたびに取っていたが、効果はあったのだろうか?
ここでは、太ももを念入りに、たたいたり、もんだりして、痙攣が収まるよう努める。
30分ほど休憩し、日の出前の薄明るい中をリスタートする。
やはり、温かい食事は身体を回復させる。気力も戻ってきた。
大崩海岸の上りは、標高差100m程度の上りだったが、苦もなく越える。
途中、富士山が見えたので、写真を撮っていたら、サイクリストが挨拶し通過していった。
上下のウィンドブレーカーに、小さなリュックの出で立ち。しかもこんな早朝に。
もしかして、この人もキャノンボール?とか、想像する。
下りきったところには、富士山の絶景ポイント。
この後は、当初、ストップ&ゴーの少ない海岸沿いを進む予定だったが、出発直前に静岡市内ルートもプリントし、風向き等で判断する予定だった。
結局、走行距離を少しでも減らすため、静岡市内ルートを取ることにする。
通勤の時間帯なので、ちょっと心配だったが、信号ストップも少なく意外と走りやすい。良いコース選択だった。
この頃から、日差しで暖かく感じるようになってきたので、予定にはなかったが、静岡中心部を過ぎたところでコンビニ休憩を取り、上の反射ベストと下のウィンドパンツを脱ぐ。
(古庄駅付近201km地点:8時15分)
リスタートしてみたら、走りやすいこと、この上ない。ウィンドパンツは、脚の引き上げで抵抗になっていたみたいだ。
暖かいし、脚の調子も良くなってきたので、オプションコースとして、薩堆峠(さった峠)に寄り道をしていく。
みかん山。
薩堆峠の上りは、序盤は緩やかだけど、後半激坂になる。脚に疲れが溜まってきたのですぐに心拍が上がり、一度足を着いてしまう。
到着した薩堆峠は、期待どおりの絶景だった。
絶景をしばらく楽しんだ後、リスタートするが、やはり脚を使いすぎたみたいだ。
下りきった由比の宿場町以降、次の補給点まで、ずっと脚が重かった。
このため、富士川手前のローソンで補給をする。
(蒲原東IC付近ローソン228km地点:10時15分)
富士川は、富士由比バイパスの歩道を行く。
ここも富士山の絶景ポイント。カメラを構える前に新幹線が通過してしまう。待っているのはもったいないので、すぐに写真を撮って走り出す。
吉原付近の迂回ルートも迷わず通り、次の補給ポイント箱根峠の麓のローソンを目指す。
途中、沼津から三島は、渋滞が激しくて走りにくく結構疲れたが、ようやくローソンに到着。
(三島市箱根峠麓ローソン259km地点:12時10分)
これから本格的な峠道が始まるというのに、かなり疲れている。
ここでも脚をもんだり、たたいたりしたが、効き目が薄れてきた。
リスタートしたものの、箱根峠はとにかく遠かった。
1回目の登坂車線では、もうギリギリ状態だったが、サイスポの岩田編集長が、大阪→東京をしたときに峠まで足つき無しだったので、「50台のオヤジに負けてたまるか」と、何とか気力で通過する。
そこからも、行けども行けども峠に着かない。2回目の試練である。
途中、緑色の標識が見えたときは、「やったー峠だ」と思ったが、近づいてみると、それは山中城址の説明板で、がっかりする。
800m台の峠って、こんなに長かったっけ?
寒くなってくる頃、ようやく箱根峠に到着。一応タイムを計ったが、1時間29分57秒。一応90分切り。
もう、これで長い峠はない。ここで、防寒具をフル装備し、下りに備える。
しかし、予想以上に寒い。握力もなくなってきているし、元箱根までは、短い下りながら、すごく長く感じた。
湖畔付近のセブン・イレブンでみそ汁を買って暖まる。でも、外なので、たいして身体が温まらない。
(元箱根セブンイレブン277km地点:14時10分)
小田原までの下りは長かった。
小田原までの所要時間が短い旧道を行くが、日陰ですごく寒いし、握力に自信がなくなってきているので、急傾斜の区間ではすごく不安だった。これが3回目の試練。
三枚橋に着いたときは、本当にホッとした。
ここからは、日向に出たい一心でとにかく小田原を目指す。
念願の小田原市内に着くと日向だったが、身体が冷え切ってしまって、ぜんぜん暖かく感じない。
ただただ、ダラダラとゆっくりペースで東に向かうが、そのうちに思考力がおとろえてきて身の危険を感じ始める。
すぐに食べられる麺類のレストランがないかなぁと、ぼんやりと考えながら走っていたら、ガストが目に入った。
コーヒーぐらいじゃ身体が温まらないな~、と思っていたら、次に吉野家が目に飛び込んできた。
(国府津吉野家300km地点:15時30分)
みそ汁と、お代わりしたい放題の温かいお茶、そして好物の牛丼。この手があった。
店に入ると、テーブル席主体の店でラッキーだった。これでくつろげる。
ポットのお茶を何杯もいただいた。
気力が戻ってきたので、店をあとにし、「東京まで頑張ろう」と気合いを入れた瞬間、1回目のトラブル発生。
前輪がパンクしていた。一気に気が萎える。
小さなガラスが刺さっていた。20分のロス。
残された距離を考えると、24時間以内で走るにはギリギリの時刻。急がないと。
大磯の先でR134に入る予定だったが、太平洋岸自転車道の案内板が目に入ったので、そちらを選択した。
これが失敗だった。
サイクリングロードに入って、数百m走っただけで、後輪がパンク。ついていない。これが4回目、最後の試練。
日も暮れていたので、西湘バイパスの街灯で作業したが、今回新調したフレームポンプの調子が悪い。
さっきの修理の時は、ちょっと不具合を感じながら修理できたが、今回はチューブに空気がうまく入らないので、パンクか所と原因を見つけられない。
このときは、リタイヤを考えた。
チューブ(パナレーサーのR-AIR)のバルブに問題があるのかと思い、スペアチューブのヴィットリアに空気を入れてみたら、問題なく空気が入った。
タイヤの裏側を探っても異物は何も感じなかったし、パンク時にすぐに空気が抜けたことを考えると、釘か何かを踏んでタイヤに残らなかったのだろうと判断し、パンク原因の特定をあきらめ修理する。
多分、30~40分のロス。
しかし、パンク修理の間に、脚が回復している。風も無風状態。
もう一度パンクしたらリタイヤすると決め、フリースベストを脱ぐ代わりに反射ベストを着て、少しでも早く走れるようウィンドパンツを脱ぎ、ゴールを目指して気合いで走る。
R134は、ところどころ渋滞しているし、その次の県道30号も渋滞が続く。藤沢は交通量が多い。
R1藤沢バイパスに合流後も同様で、しばらく渋滞の中を走る。
腹も減ってきたので、戸塚のコンビニで補給し、家に連絡を入れてひたすら日本橋を目指す。
(戸塚ファミリーマート334km地点:18時45分)
横浜までの間、サンタクロースの格好をしたバイクの珍走団が爆音で走っていった。
横浜からは、R15を選択。R1に比べると圧倒的に平坦で走りやすい。おまけに車線数も多いし、土曜日の夜のためか交通量も少ない。
あっという間に多摩川、神奈川県と東京都の県境まできた。最後の県境で感動する。
その後も快調、とはいっても26~27km/hの巡航速度で進む。
品川付近まで来ると、東京タワーが見える。クリスマスイブだからか、いつもと違うライトアップ。写真に撮っておけば良かった。
やがて新橋駅前を過ぎ、高速道路のガード下をくぐるところまで来たところでビックサプライズ!!
クリスマスイブの銀座ってこんなんだったの?
まるで、光の中をパレードラン。キャノンボールのゴールを祝福してくれるかのように。
思わず、涙があふれそうになった。
キャノンボールの正しいゴールの迎え方。
カルティエが入っているビルが、赤いイルミネーションで特にキレイだった。
そして、感動のゴール、日本橋に21時18分に到着。銀座に着いたときほどの感動はない。
走行距離が381.40km、所要時間が24時間33分、ネットアベレージが21.6km/h。目標の24時間を切れなかったが、グロスのアベレージで15.5km/hなので、何とか及第点といえるだろう。
金曜日から土曜日の夜にかけてのレポートです。
今回のコースは、以下のとおりです。
以下レポートです。長文注意です。
--------------------------------------------------------------------------
木曜日の夕方、なんか熱っぽい。
折角風邪を治したのに、3日連続のマラソン練習でぶり返したのか。
金曜日の起床時。うん、体調は良い。よし、今日はキャノンボールを決行しよう。
念のため、昼前に熱を測ってみると、36.8℃。
平熱より1℃高い。体調が良いのに、なぜ?
体温計が故障したのか?
逡巡していると、カミさんが一言。
「行ってくれば。ダメなら途中から電車で帰ってくればいいし。」
この言葉で踏ん切りがついた。
まずは、島忠に買い物。箱根峠で雪が降られることを想定し、作業用のゴムびきの手袋、ナイトラン用反射ベスト、反射テープ、アルカリ乾電池。
反射ベストや反射テープは、2チャンネルで仕入れた情報。バックライトより遙かに明るく、ドライバーからの視認性が高いとのこと。
反射テープをヘルメットの後ろの部分にベタベタと貼り、ライトの乾電池を新品のものに交換。
準備を整えた後、軽い食事をして、いざ出発。まずは東京駅まで自走する。
名古屋には新幹線で向かうが、ひかり号は自由席が5両、のぞみ号は3両。なので、18時33分のひかり号に乗るつもりだった。
早めに東京駅に着いたので、念のため、前に出るのぞみ号を確認してみる。
のぞみ号の止まっている、16番、17番ホームに行ってみると、18:20発のぞみ号、18:23発のぞみ号が停車していた。なぜか3分間隔で。
しかも、自由席には並んでいる人がせいぜい7~8人。三連休初日の夜だから、当然か。
18:20発は清掃中で、18:23発は既に乗れる状態だったので、18:23発の3号車の一番後ろの席をキープ。
自転車を置くには、一番後ろの席がベストだから。
キャノンボール出発前の食料として、おにぎり2個とドーナツを買う。
このおにぎり、JR東海の関連会社の製品だけど、コンビニで売っているおにぎりよりも香ばしく、美味しい。良い発見をした。
前置きが長すぎた。
キャノンボールのスタートは20時45分。
服装は、寒さ対策として、上がマラソンTシャツ、自転車用長袖ジャージ、フリースベスト、ウィンドブレーカー、反射ベスト、スキーで使用しているホーマック製手袋。
下が、マラソン用タイツ、夏用レーパン、マラソン用ウィンドパンツ、靴下2枚履きでシューズカバーは無し。
ライトは、町中は街路灯があり明るいので、キャットアイとフジキンの2灯体制でいく。
風は、あらかじめ調べておいたとおり追い風だが、少々弱い。背中を押してくれるぐらいの風が欲しかったが、向かい風よりいいだろう。
幹線道路を進むが、交差点毎に左折レーンがあり、交差点通過時の後方確認がめんどくさい。
30分程度走ったところで、コンビニでトイレをすませ、アクエリアスと野菜ジュースを買い、上着を脱ぐ。
さすがに重装備すぎたので、フリースベストを脱ぐことにした。
淡々と走っていて、信号で止まって何気なく地名を確認すると、そこは桶狭間。
夜だからよくわからないが、ゆるやかな丘陵地帯。もうちょっと山だと思っていたが、勝手な思い込みは良くないな。
そして、2回目の補給。
あらかじめ調べておいた、本宿手前のローソン。
(名電山中駅付近49km地点:23時25分)
今回は、グロスアベレージ20km/hを目標にしていて2時間毎に休憩を取る予定でいたので、ここは約50km地点にあたる。
肉まん、ジャムパン、あんパンと、しっかりと食べる。
小さな峠を越えると、幟がバタバタはためいている。ようやく強い追い風となった。
しかし、平坦地になると、弱い風に戻ってしまう。残念。
この辺りから、右足だけ寒さで感覚がなくなってくる。左足が正常な理由は、ストップのたびに左足を地面に着くことに気づいた。
それ以来、停止時に右足を地面に着くと、感覚は元に戻る。ふー良かった。
2時間以上も走ると、だんだん疲れてきて、景色も楽しめないので、ペースが落ちる。
そして、たまたま止まった交差点で地名を確認すると、そこは岩屋。
そう、県道3号に分かれる地点である。
その分岐点の手前にあるのが、今回のチャレンジにふさわしい、ボウリング場の「キャノンボール」!
県道3号に進むと、途端に暗くなったので、3灯体制に移行。
スーパーファイヤーSF-333XXにスイッチオン!
明るい!すごく安心して走れる!
ここで、心身にもスイッチが入った。
しばらく行くと、静岡県との県境。愛知県、クリア。
JRの新所原駅の踏切を渡るところでちょっと迷ったが、タイムロスはせいぜい数分程度。
そして、次の補給ポイント新居関所跡近くのファミリーマートの到着。20km/hを切っているが、まあこんなもんだろう。
(新居駅付近91km地点:1時45分)
浜松バイパスに入ると強い追い風。後で確認すると西風4~5m。
今回は、浜松~静岡のバイパス地獄を避けるため、御前崎ルートを取ることにした。
R150に入るルートを地図で確認したがよくわからず、標識に従って進んで橋を渡りきったところに料金所があった。
R150バイパスの有料道路の遠州大橋だったのだ。
ヤバッ。料金所には人がいない。料金表を確認したら、軽車両10円となっている。
ふー、大丈夫だった。
標識に導かれ、R150本線に復帰する。
ここからは追い風に恵まれるが、暗いし変化がなく、退屈。
調子もまずまずだったので、休憩地点を御前崎市街にしようかとも思ったが、予定どおり、ミニストップで補給することにする。
(掛川市大淵ミニストップ134km地点:時分)
これは正解だった。ミニストップにはイートインコーナーがある。寒空の下で補給する必要がない。
この日の気温は約2℃なので、助かった。
御前崎中心部を外れると、なんだか臭う。と、そこには、浜岡原発があった。
なぜ臭うんだろうか、ちょっと怖い。
原発を過ぎ進路を北に取ると、風向きが向かい風気味の横風。
疲れが出てきたし、寒さが身に染みてきたので、大井川を渡るまでは本当に辛かった。1回目の試練である。
途中、何度もコンビニを見かけ、後ろ髪を引かれる思いだったが、休憩前になんとか大井川を越えたい。
ようやく大井川の橋が見えたときは、ホッとした。
が、橋に至る上り坂で、ハムストリングスが痙攣。ヤバッ。
橋を越えてからは、屋内で補給できるファミレスかミニストップを探す。
あった。イートインコーナーのあるローソン。ああ、救われた。
(焼津市下江留ローソン173km地点:6時)
身体も感じかんでいるので、これで温かい食事ができる。
カップヌードルと、おにぎりと、野菜ジュース。愛車も見えるし、安心して食事ができる。
野菜ジュースは、痙攣防止のため、補給のたびに取っていたが、効果はあったのだろうか?
ここでは、太ももを念入りに、たたいたり、もんだりして、痙攣が収まるよう努める。
30分ほど休憩し、日の出前の薄明るい中をリスタートする。
やはり、温かい食事は身体を回復させる。気力も戻ってきた。
大崩海岸の上りは、標高差100m程度の上りだったが、苦もなく越える。
途中、富士山が見えたので、写真を撮っていたら、サイクリストが挨拶し通過していった。
上下のウィンドブレーカーに、小さなリュックの出で立ち。しかもこんな早朝に。
もしかして、この人もキャノンボール?とか、想像する。
下りきったところには、富士山の絶景ポイント。
この後は、当初、ストップ&ゴーの少ない海岸沿いを進む予定だったが、出発直前に静岡市内ルートもプリントし、風向き等で判断する予定だった。
結局、走行距離を少しでも減らすため、静岡市内ルートを取ることにする。
通勤の時間帯なので、ちょっと心配だったが、信号ストップも少なく意外と走りやすい。良いコース選択だった。
この頃から、日差しで暖かく感じるようになってきたので、予定にはなかったが、静岡中心部を過ぎたところでコンビニ休憩を取り、上の反射ベストと下のウィンドパンツを脱ぐ。
(古庄駅付近201km地点:8時15分)
リスタートしてみたら、走りやすいこと、この上ない。ウィンドパンツは、脚の引き上げで抵抗になっていたみたいだ。
暖かいし、脚の調子も良くなってきたので、オプションコースとして、薩堆峠(さった峠)に寄り道をしていく。
みかん山。
薩堆峠の上りは、序盤は緩やかだけど、後半激坂になる。脚に疲れが溜まってきたのですぐに心拍が上がり、一度足を着いてしまう。
到着した薩堆峠は、期待どおりの絶景だった。
絶景をしばらく楽しんだ後、リスタートするが、やはり脚を使いすぎたみたいだ。
下りきった由比の宿場町以降、次の補給点まで、ずっと脚が重かった。
このため、富士川手前のローソンで補給をする。
(蒲原東IC付近ローソン228km地点:10時15分)
富士川は、富士由比バイパスの歩道を行く。
ここも富士山の絶景ポイント。カメラを構える前に新幹線が通過してしまう。待っているのはもったいないので、すぐに写真を撮って走り出す。
吉原付近の迂回ルートも迷わず通り、次の補給ポイント箱根峠の麓のローソンを目指す。
途中、沼津から三島は、渋滞が激しくて走りにくく結構疲れたが、ようやくローソンに到着。
(三島市箱根峠麓ローソン259km地点:12時10分)
これから本格的な峠道が始まるというのに、かなり疲れている。
ここでも脚をもんだり、たたいたりしたが、効き目が薄れてきた。
リスタートしたものの、箱根峠はとにかく遠かった。
1回目の登坂車線では、もうギリギリ状態だったが、サイスポの岩田編集長が、大阪→東京をしたときに峠まで足つき無しだったので、「50台のオヤジに負けてたまるか」と、何とか気力で通過する。
そこからも、行けども行けども峠に着かない。2回目の試練である。
途中、緑色の標識が見えたときは、「やったー峠だ」と思ったが、近づいてみると、それは山中城址の説明板で、がっかりする。
800m台の峠って、こんなに長かったっけ?
寒くなってくる頃、ようやく箱根峠に到着。一応タイムを計ったが、1時間29分57秒。一応90分切り。
もう、これで長い峠はない。ここで、防寒具をフル装備し、下りに備える。
しかし、予想以上に寒い。握力もなくなってきているし、元箱根までは、短い下りながら、すごく長く感じた。
湖畔付近のセブン・イレブンでみそ汁を買って暖まる。でも、外なので、たいして身体が温まらない。
(元箱根セブンイレブン277km地点:14時10分)
小田原までの下りは長かった。
小田原までの所要時間が短い旧道を行くが、日陰ですごく寒いし、握力に自信がなくなってきているので、急傾斜の区間ではすごく不安だった。これが3回目の試練。
三枚橋に着いたときは、本当にホッとした。
ここからは、日向に出たい一心でとにかく小田原を目指す。
念願の小田原市内に着くと日向だったが、身体が冷え切ってしまって、ぜんぜん暖かく感じない。
ただただ、ダラダラとゆっくりペースで東に向かうが、そのうちに思考力がおとろえてきて身の危険を感じ始める。
すぐに食べられる麺類のレストランがないかなぁと、ぼんやりと考えながら走っていたら、ガストが目に入った。
コーヒーぐらいじゃ身体が温まらないな~、と思っていたら、次に吉野家が目に飛び込んできた。
(国府津吉野家300km地点:15時30分)
みそ汁と、お代わりしたい放題の温かいお茶、そして好物の牛丼。この手があった。
店に入ると、テーブル席主体の店でラッキーだった。これでくつろげる。
ポットのお茶を何杯もいただいた。
気力が戻ってきたので、店をあとにし、「東京まで頑張ろう」と気合いを入れた瞬間、1回目のトラブル発生。
前輪がパンクしていた。一気に気が萎える。
小さなガラスが刺さっていた。20分のロス。
残された距離を考えると、24時間以内で走るにはギリギリの時刻。急がないと。
大磯の先でR134に入る予定だったが、太平洋岸自転車道の案内板が目に入ったので、そちらを選択した。
これが失敗だった。
サイクリングロードに入って、数百m走っただけで、後輪がパンク。ついていない。これが4回目、最後の試練。
日も暮れていたので、西湘バイパスの街灯で作業したが、今回新調したフレームポンプの調子が悪い。
さっきの修理の時は、ちょっと不具合を感じながら修理できたが、今回はチューブに空気がうまく入らないので、パンクか所と原因を見つけられない。
このときは、リタイヤを考えた。
チューブ(パナレーサーのR-AIR)のバルブに問題があるのかと思い、スペアチューブのヴィットリアに空気を入れてみたら、問題なく空気が入った。
タイヤの裏側を探っても異物は何も感じなかったし、パンク時にすぐに空気が抜けたことを考えると、釘か何かを踏んでタイヤに残らなかったのだろうと判断し、パンク原因の特定をあきらめ修理する。
多分、30~40分のロス。
しかし、パンク修理の間に、脚が回復している。風も無風状態。
もう一度パンクしたらリタイヤすると決め、フリースベストを脱ぐ代わりに反射ベストを着て、少しでも早く走れるようウィンドパンツを脱ぎ、ゴールを目指して気合いで走る。
R134は、ところどころ渋滞しているし、その次の県道30号も渋滞が続く。藤沢は交通量が多い。
R1藤沢バイパスに合流後も同様で、しばらく渋滞の中を走る。
腹も減ってきたので、戸塚のコンビニで補給し、家に連絡を入れてひたすら日本橋を目指す。
(戸塚ファミリーマート334km地点:18時45分)
横浜までの間、サンタクロースの格好をしたバイクの珍走団が爆音で走っていった。
横浜からは、R15を選択。R1に比べると圧倒的に平坦で走りやすい。おまけに車線数も多いし、土曜日の夜のためか交通量も少ない。
あっという間に多摩川、神奈川県と東京都の県境まできた。最後の県境で感動する。
その後も快調、とはいっても26~27km/hの巡航速度で進む。
品川付近まで来ると、東京タワーが見える。クリスマスイブだからか、いつもと違うライトアップ。写真に撮っておけば良かった。
やがて新橋駅前を過ぎ、高速道路のガード下をくぐるところまで来たところでビックサプライズ!!
クリスマスイブの銀座ってこんなんだったの?
まるで、光の中をパレードラン。キャノンボールのゴールを祝福してくれるかのように。
思わず、涙があふれそうになった。
キャノンボールの正しいゴールの迎え方。
カルティエが入っているビルが、赤いイルミネーションで特にキレイだった。
そして、感動のゴール、日本橋に21時18分に到着。銀座に着いたときほどの感動はない。
走行距離が381.40km、所要時間が24時間33分、ネットアベレージが21.6km/h。目標の24時間を切れなかったが、グロスのアベレージで15.5km/hなので、何とか及第点といえるだろう。
しかし、冬のキャノンボールは、もう止めよう。次にチャレンジするとしたら、日の長い、春から夏だろうな。
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